『先日のこと その1』のつづき。
映画が終わったが、時間的にはまだ午前。 一日はまだまだ終わらない。
せっかく滅多に行かない池袋までやって来たので、どこかに寄りたい気持ちはあるのだが、滅多に行かないだけあって、何があるのかもわからなければ地理も全然わからない。
私の中にある池袋の知識といえば、『東が西武で 西、東武』か、『みずしな先生のホームグラウンド』という極めてどうでもいいことしかない。
さて、どうしたものかと文字通り路頭をさまよっていると、別の映画館の前にやってきた。
そこで、ティンとひらめく。
(別に池袋じゃなくても出来るけど)まだ午前中だし、もう一本映画を観て帰ろう、と。
そんなわけで、続けて観たのも、今話題のアニメ映画…、ではなく。 ある意味話題の犬映画『HACHI ~約束の犬~』。 改めてみると恥ずかしい副題だ いったい誰が考えたんだよ!な、この映画を選んだ理由は、CMで観た子犬がかわいかったから、というだけ。
思い立ったが吉日。 早速チケットを購入して観てみると、やっぱり、子犬ハチが、げに愛らしい。 その気持ちを抑えきれず、思わずほっこりとした笑顔のまま映画を観続けてしまった。 きっと傍からみたら、げに気持ち悪い光景だっただろう。
しかし、原作がハチ公だけに、いつまでも笑顔のままではいられなかった。
洋画版『Shall We ダンス?』と、この『HACHI』のせいで、私の中ではすっかり『日本のリメイク俳優』の位置づけになってしまったハチの飼い主役のリチャード・G(こうするとグレートって意味みたい)がいなくなってからは、映画も場内もどんよりと暗くなり、笑顔になることはなく、どこまでもテンションが降下していった。
映画のラスト近くになると場内にすんすんすーんと、すすり泣く声も聞こえ始めた。
天邪鬼な私も私で、ハチの献身的姿と悲劇的な運命に感動するあまり、思わず目頭が熱くなってしまったという言葉を文字って、江頭が熱くなってきてしまった、なんて言葉を想像して、揺れる心を抑えていた。
天邪鬼故に。 しかし、歳をとってから動物ものに弱くなったなあ…。
こうして、場内を感動で包み込んだまま、アメリカハチ公、略して『アメ公』は閉演した。
まあ、やっぱり、アメリカナイズなところは多々みられたが、概ね原作に忠実な作品でした。 しかし、それが没個性になっているような気がしなくもないと、いっぱしの評論家っぽく感想を述べてみる。 だけどやっぱり、かわいそうな動物をみると憐憫な気持ちは隠せず、思わず目頭…、もとい、江頭が熱くなってしまうなあ。 天邪鬼故に。
アメ公を観終わって外に出てみると、時刻は午後になっていた。
随分と時間をかけてしまったと思いながら、本日、都内にやってきたもうひとつの目的の為に池袋を後にした。
(長ったらしくなった・なりそうなので、まさかのつづく)
どうしようもなくオタク。
たぶん一生オタク。
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