猫が増えた。
我が家には今年で8歳になる猫がいる。 元は野良猫の出で紆余曲折あったりなかったりして仔猫の頃に我が家にやってきた。 種類は芝トラ柄の雑種、長毛のメス猫で毬藻のようにまんまるくて可愛いく、この8年の間、我が家のペットの主席を守ってきた。
つい先日までは…。
その日、家に帰ってみると玄関に見慣れない四角い物体があった。 大きさはかろうじて1㎥ない程度。 出かけたときにはこんなもの我が家にはなかった。
よくみてみると上からカバーがかかっていたのでよくわからなかったが、四方は格子状になっており、中になにかが入っていた。
もしやと思い、さらに近づいて中を見てみると、そこには長毛だけど体の背中側半分しかトラ模様がなくあとは真っ白な見知らぬ仔猫が鎮座していた。
にゃん……だと……。
そういえば、このところ母が猫の餌を買いにいっているペットショップに気になる仔猫がずっと売れ残っていてかなりの安値になっているからどうしようかと、ここ1、2ヶ月の間毎週のように話され続け、この前日もちょっと虫の居所が悪かったところに「どうしようか?」「ちょっと予算が…」「購入資金の寄付受け付けていまーす」とかなんとかぬかしていたので、ぷち切れて今月のお小遣い+何とはいわないがBlu-ray購入費にとってあったお金を叩き付けて黙らせた……なんてことがあった。
それで早速、さの字にペットショップに行って四角い物体改め、猫ゲージと仔猫を買って来たというわけか。 なるほど。
そんな突然の新猫登場に衝撃を隠せないmutaさんであったが、それ以上に衝撃を受けた奴が我が家にいた。
そう。 飼い猫暦8年間の雑種猫だ。
突然の新猫登場にさぞ驚きと恐怖を感じたのだろう。
一目散に新猫のゲージから一番遠い部屋のタンスの上に隠れてずっと降りようとしないらしい。
弱!
何で8歳になる猫が生まれて半年ほどしか経っていない仔猫に臆するんだよ。 人生ならぬ猫生の大先輩なんだから、もっと毅然とした態度をとれよ!
とは思うのだが、猫にそんな理屈通るわけない。
そればかりか餌も食べにこようとしないので、我が母が『このままでは餓死するのではないか』と心配しだす始末。 そこで母がタンスの上に餌を置いてみたところ、今まで不動をきめていた8歳猫もようやく起きて餌を食べるようになり、我が家から餓死猫を出す心配はなくなったが、その姿がまるで引き篭もりで自室から出ようとしない子供に食事を持っていく親のようで、哀愁すら感じてしまった。
この二匹。 解り合える日は来るのだろうか…。
どうしようもなくオタク。
たぶん一生オタク。
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